風俗業界におけるぽっちゃり店の立ち位置

ぽっちゃり店は引き立て役に使われがち

世の中に数多ある風俗店の中で「ぽっちゃり店」とは、一体どのようなクラスターに入ると思いますか?
自分の生業を悪く言うつもりは全くありませんが、やはりマスコミの醜聞を集めやすいということは言わなければならないでしょう。
この点は必ずしもデメリットであるとは言い切れませんが、間違ってもモデルや芸能人の卵が集まる「高級デリヘル店」のような注目のされ方をすることはありません。
風俗店が罰ゲームとして利用されることもある新聞や雑誌、インターネットと様々なメディアが存在しますが、多くの媒体がぽっちゃり風俗店を「特殊で不思議な世界」として見ており、中には「罰ゲーム御用達のお店」とまで紹介するケースもあります。
つまり、多くの広告費を払ってくれるお得意様である、「高級デリヘル店」を引き立てる為の添え物としての役割を、一方的に負わされることが多いのです。
あくまでも添え物ですから、本質的なことやコンセプト店ならではの魅力よりも、とにかく面白おかしく取り上げられることに終始されます。

見方を変えれば、どんな内容であろうとも高額な広告費を掛けずに多くの人の目に触れる機会を得ることが出来るのはメリットとも言えます。
しかし問題は、求人広告であれば魅力的な話題が少ない訳ですから、女性に対する訴求力はそれほど強くありません。
また、男性客に対しても来店数が増えるのは一時的なものであり、一見さんを常連客へと変えていくのは簡単ではありませんし、一度に大量のお客さんが来たところで全てのお客さんを受け入れるほどのキャパシティーがお店側に無いケースも少なくありません。

当店は、地方にあるぽっちゃり専門の大衆ソープランドですので、風俗業界では地味な存在に間違いありません。
そして、当店のような地味なお店がマスコミの甘言に翻弄されて、多額な広告費による赤字を回収出来ないままに閉店していく姿を何度も見てきました。
だからこそ、地味でも堅実かつ確実な営業形態を貫くことで、自分のお店を始め、協力してくれるスタッフ達を守ることが出来ると、先代から教育を受けてきました。
広告費というのは、ぽっちゃり嬢を集める為の求人広告と、旅行客に向けたわずかな営業広告だけに留めて、当店を愛してくれる地元の常連客や、頑張って働いてくれている風俗嬢たちの待遇を良くする為に、積極的に還元していくことこそが経営者の努めだと思うのです。

ソープランドが「究極の接客業」と言われる理由

それでは、当店のもう一つの属性であるソープランドはどうでしょうか。
ソープランドは「究極の接客業」とも言われ、その接客方法も独特です。
様々な専門道具を使用しますし、男性客を癒す為に身体だけでなく、心も砕かなければならない時もあるでしょう。
同じ風俗のファッションヘルスやデリヘルの経験者であったとしても、新たに学ばなければならない約束事もいっぱいあるので、専門職と言ってもよいお仕事です。
もちろん、最初から全てを上手に出来なければならない訳ではありませんし、最も重要なことは「相手に尽くす」という接客の精神です。
道具の使い方も徐々に慣れていけば良いですし、むしろ少し不得手ぐらいの方がリアリティがあって好きだというお客さんもいらっしゃいます。

情報やノウハウの共有化と切磋琢磨できる環境一般的なソープランドでは、全ての風俗嬢に対して個室が用意されています。
仲の良い女の子同士であれば、お互いの部屋を行き来しますし、廊下で同僚とすれ違うこともありますが、一人の同僚とも会わずに仕事を終えることも珍しくありません。
また、基本的に風俗嬢とは個人事業主になるので、自分以外の全員がライバルとなり、単独行動を好む傾向にあります。
だからこそ、情報やノウハウの共有化に力を入れて、風俗嬢がお互いに切磋琢磨できる環境を整えることこそが、経営者の役割となります。
その結果として、「究極の接客業」という立場を堅持していくことが可能となるのではないでしょうか。